- ピラティス
2025.11.24
2025.11.27
「姿勢を良くしたい」「体が硬いのをどうにかしたい」「疲れにくい体になりたい」——こうした体の悩みを解決する手段として、ピラティスとストレッチはどちらも非常に有効なフィットネスです。
しかし、「ピラティスをやっているからストレッチはいらない?」「体が硬いから先にストレッチをすべき?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
実は、ピラティスとストレッチは、お互いの弱点を補い合い、相乗効果を発揮する最高の組み合わせです。ピラティスで「支える力」を養い、ストレッチで「ゆるめる力」を高めることで、単独で行うよりも遥かに効率良く、しなやかで疲れにくい「姿勢美人」の体をつくることができます。
この記事では、ピラティスとストレッチの基本的な違いと、それぞれの役割を理解した上で、最も効果的な組み合わせ方や、日常での使い分け方を徹底的に解説します。
ピラティスもストレッチも「体を整える」という共通の目的を持ちますが、そのアプローチ方法と役割には明確な違いがあります。それぞれの特性を理解することが、ご自身の体に合ったアプローチを選ぶ第一歩です。
ピラティスは、体の深層部にあるインナーマッスル(深層筋)を鍛え、体幹(コア)を安定させることに特化したメソッドです。
主な役割:「動かす力」と「支える力」の強化。 筋力を使い、骨盤や背骨の正しい位置(ニュートラルポジション)をキープする体の使い方を学びます。
期待できる効果:姿勢の根本的な改善、腰痛・肩こりの予防、体幹の安定化、筋力と持久力の向上。
特性:動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)の要素を含みますが、主な目的はコントロールであり、筋肉を長く伸ばすことだけではありません。
▼ピラティスの効果については、こちらの記事で詳しく解説しています
ピラティスの効果とは?体幹強化・姿勢改善・ダイエットまで徹底解説
ストレッチは、筋肉や腱、関節を伸ばし、柔軟性を高めることに特化したケア習慣です。
主な役割:「ゆるめる力」と「血流の改善」。 緊張した筋肉を弛緩させ、関節の可動域を広げます。
期待できる効果:筋肉のこわばり解消、血行促進による疲労回復、リラックス効果、怪我の予防。
特性:主に静止した状態で筋肉を伸ばす静的ストレッチ(スタティックストレッチ)が一般的で、自律神経の副交感神経を優位にし、リラックスを促します。
ピラティスのセッションにストレッチを組み込む際は、目的によってタイミングを使い分けることで効果を高められます。
〇レッスン前(ウォーミングアップ)
目的:関節を温め、可動域を広げ、次の激しい動きに備える。
内容:軽い動的ストレッチ(例:アームサークル、体幹をねじる動き)を中心に、数分間行います。静的ストレッチは筋力を一時的に低下させる可能性があるため、ピラティス前は避けるのが鉄則です。
〇レッスン後(クールダウン)
目的:使った筋肉を緩め、疲労をリセットし、柔軟性を高める。
内容:静的ストレッチを中心に、使った筋肉を心地よく伸ばします。特に、ハムストリングス(太ももの裏)や股関節周りなど、硬くなりやすい部位を重点的に行うと、疲労が溜まりにくくなります。
ピラティスとストレッチを組み合わせることは、単なる足し算ではなく、お互いの効果を何倍にも引き上げる相乗効果を生み出します。
ストレッチで得た柔軟性は、ピラティスの質を高め、結果的にしなやかな動きへと繋がります。
相乗効果の仕組み:ストレッチで筋肉をゆるめ、関節の可動域が広がると、ピラティスを行う際により正しいフォームで体を動かせるようになります。例えば、股関節が柔らかくなれば、足を上げるピラティスエクササイズで腰で代償することなく、股関節周りの必要な筋肉を正確に使うことができるようになります。
結果:体の中心(コア)が安定しつつ、末端の手足が大きく、しなやかに動く、ダンスやスポーツで求められるような機能的な美しさを身につけることができます。
多くの肩こりや腰のハリは、「体が歪んでいるのに、それを無理に筋肉で支えようとする緊張」から生じます。
ピラティスの貢献:ピラティスで背骨と骨盤を支えるインナーマッスルが強化されることで、常に猫背や反り腰にならないよう「正しい姿勢を保つ力」が養われます。
ストレッチの貢献:ストレッチで長時間緊張していたアウターマッスル(例:肩や首の筋肉、太もも裏など)がゆるめば、血行が改善し、痛みの原因となる「筋肉の過緊張」が解消されます。
結果:支える力とゆるめる力のバランスが取れるため、日常生活で不必要な緊張が減り、慢性的な肩こりや腰のハリを根本から感じにくくなります。
疲労の蓄積は、血液の循環が悪くなり、老廃物が体に留まってしまうことが原因です。
ストレッチで流れを良くする:ストレッチは、硬くなった筋肉をゆるめ、血管を圧迫している状態を解消します。これにより、血液やリンパ液の流れが良くなり、老廃物の排出が促されます。
ピラティスで全身を動かす:ピラティスは、深い胸式呼吸と連動させながら全身を動かすため、体幹から四肢へと血液を送り出すポンプ作用が高まります。
結果:血流の良い状態が維持されるため、疲労物質が溜まりにくくなり、疲れを翌日に持ち越さない、代謝の良い体へと変わっていきます。
その日の体調や気分、時間帯に合わせて、ピラティスとストレッチの優先順位を変えることで、心身をより理想的な状態に導くことができます。
朝一番は、体の動きが硬くても、これから活動する時間帯であるため、ピラティス(動かす)を中心に据えるのが理想的です。
おすすめの理由:ピラティスの深い胸式呼吸は交感神経を優位にし、眠っていたインナーマッスルを目覚めさせます。これにより、体温と代謝が上がり、一日中正しい姿勢をキープしやすくなります。
実践例:10分程度の簡単なマットピラティス(例:ハンドレッド、ペルビックカール)や、キャット&カウなど、背骨を動かす動的な動きを中心に行います。
▼朝にピラティスを取り入れるメリットを詳しく知りたい方はこちら
朝にピラティスを取り入れる効果とは?代謝アップ&姿勢美人の1日をつくる
夜、特に就寝前は、一日の疲労と緊張を解き放ち、体をリラックスモードに導くため、ストレッチ(ゆるめる)を中心に据えましょう。
おすすめの理由:静的ストレッチは、副交感神経を優位にし、心拍数を落ち着かせ、体温を徐々に下げる作用があります。これにより、深い睡眠を促します。
実践例:チャイルドポーズ、股関節を開くストレッチ、太ももの裏側(ハムストリングス)を伸ばすストレッチなど、ゆったりと呼吸をしながら30秒程度ホールドする静的ストレッチが効果的です。
体調が優れない日や、仕事で極度に疲労が溜まっている日は、無理に体幹を鍛えるピラティスを休止し、ストレッチで体を労わりましょう。
判断基準:強い倦怠感や腹痛がある日は、体の回復を優先します。
実践内容:仰向けの状態でできる簡単なねじりのポーズや、深い呼吸に集中したストレッチを行います。筋肉に負担をかけず、血流を改善し、リラックス効果を得ることを目標とします。
A. 最も大きな効果は、「体の機能性の向上」です。ピラティスでインナーマッスルが強くなり、体が安定することで、ストレッチで得た柔軟性を最大限に生かし、怪我のリスクを減らしながら、しなやかで大きな動きができるようになります。結果として、姿勢改善、肩こり・腰痛の軽減、疲れにくい体質への変化という相乗効果が得られます。
A. 最も効果的な順番は以下の通りです。
ウォーミングアップ:軽い動的ストレッチ(数分)で体を温める。
メイン:ピラティスで体幹を強化し、正しい体の使い方を学ぶ(30分〜60分)。
クールダウン:静的ストレッチ(10分程度)で使った筋肉を緩め、疲労回復と柔軟性の定着を促す。
特に、レッスン後の静的ストレッチは、筋肉が温まっていて最も効果が高まるため、時間をかけて丁寧に行うのがおすすめです。
A. はい、「質と継続性」を重視すれば、短時間でも十分効果があります。
疲れている日:ピラティスは完全に休み、呼吸と連動した5分間の静的ストレッチだけ行いましょう。おでこを床につけるチャイルドポーズなど、リラックス効果が高いポーズがおすすめです。
時間がないとき:朝の歯磨き中や信号待ちなど、日常の隙間時間に、「ピラティスの胸式呼吸」を意識するだけでも、インナーマッスルは働きます。呼吸だけでも継続することが、体幹の意識を保つ秘訣です。
ピラティスとストレッチは、どちらも体を整えるための大切なツールですが、その役割は異なります。
ピラティス:体の土台(コア)を固め、正しい姿勢を支える。
ストレッチ:緊張をゆるめ、血流を整え、可動域を広げる。
この二つを無理に選ぶのではなく、目的に合わせて使い分ける、あるいは適切に組み合わせることが、姿勢美人への最短ルートです。
フィットネスクラブエイム では、マットの上で体幹を中心に体の動きをトレーニングしていくピラティスと、呼吸法と身体の可動域に重点を置きゆっくりとコントロールされた動きで行うレズミルズピラティスのクラスをご準備しています。
ピラティスで強さと安定性を、ストレッチでしなやかさと安らぎを手に入れ、日常の動きが軽やかになる変化をぜひ体感してください。
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監修:舛井達郎 エイムのマーケティングに携わり、紙媒体やWeb広告の運用を行っている。動画や広告制作も担当し幅広い業務に従事。フィットネスの普及のため、運動の方法や健康についてインスタグラムでの発信も行っている。