- エアロビクス
2025.11.13
2025.10.22
シャッセ(Chassé)は、エアロビクスやダンスで非常に頻繁に使われる基本的なステップです。フランス語で「追いかける」「滑る」といった意味を持ち、一歩踏み出した足に、もう一方の足を追いかけるように引き寄せて、軽やかに横移動する動作を指します。
エアロビクスでは、このシャッセによってコートやフロアを大きく使い、ダイナミックな動きを表現したり、他の複雑なステップへとつなげたりする役割を担います。その特徴は、単に横に歩くのではなく、「弾むように」「滑るように」進む、軽快なリズム感にあります。
シャッセの動きは、「横に一歩出す」「足を揃える」「さらに横に一歩出す」という、シンプルな3つの動作を1セットとして行います。この動きを音楽の2拍または3拍で素早く行うことで、リズミカルな横移動が生まれます。膝を柔らかく使って、床からの反動を活かすのがポイントです。
シャッセは横方向への移動を伴うため、日常生活ではあまり使わない筋肉を効果的に使います。
内もも・外もも(内転筋・外転筋):足を閉じたり開いたりする動作で、太ももの内側と外側が鍛えられ、下半身の引き締めにつながります。
体幹(インナーマッスル):横移動する際に、体がブレないようにバランスを取るために腹筋や背筋といった体幹が使われます。特に横方向への動きに対する安定性が向上します。
ふくらはぎ:弾むような動きの際にふくらはぎの筋肉が使われます。
シャッセの基本は、軽快な3歩で横移動を完了させることです。ここでは、音楽の4カウントに合わせて行う、エアロビクスで最も一般的なシャッセの基本手順を解説します。
基本ステップの手順(4カウント)
シャッセは、基本的に「右、左、右(タッチ)」または「左、右、左(タッチ)」の3ステップで横移動を完了させ、次の移動に備えます。
【右方向へのシャッセ】
【カウント1】:右足を右横に一歩踏み出します。
【カウント2】:左足を右足に引き寄せ、すぐに左足で床を蹴って再び右へ進む準備をします。(この動作が「追いかける」部分です)
【カウント3】:右足をさらに右横へ一歩大きく踏み出します。
【カウント4】:左足を右足の横に引き寄せ、つま先を軽くタッチしてストップします。
この動作を「1-2-3-タッチ(4)」というリズムで行うことで、軽快な横移動が生まれます。左方向へ移動する際は、これを左右反対にして行います。
基本の足の動きに慣れたら、腕の動きやリズムを加えて、よりダイナミックにしてみましょう。
・腕の動き:横移動する方向に合わせて、両腕を大きく横に広げたり、前に押すように振ったりすると、全身運動としての効果がアップし、見た目も華やかになります。
・ツーステップシャッセ:カウントを半分にして、より速いリズム(2カウントでシャッセを完了)で行うことで、敏捷性を高める練習になります。
【カウント1】:右足を横に出す
【カウント2】:左足を右足に引き寄せる(次に進む準備)
・回転を加える:シャッセの移動中に体を半回転させ、方向転換を行うといった応用も可能です。
| 間違い | 改善ポイント |
|---|---|
| ただ横歩きになっている | 「1-2」のステップを素早く行い、弾むようなリズムを意識しましょう。膝を柔らかく使うと、自然な弾みが生まれます。 |
| 骨盤が揺れすぎる | 横移動の際、腰が大きく上下左右にブレると、体幹の安定性が失われます。お腹に軽く力を入れ、体幹を意識することで、骨盤の傾きを抑えましょう。 |
| 足を揃えるときに体重をかけてしまう | 「追いかける足」(左足)を揃える際に、体重を完全に移動させないのがコツです。すぐに次のステップを踏み出すため、あくまで「タッチ」する程度に留めましょう。 |
シャッセは、軽やかな横移動という特徴から、他のステップにはない独自のフィットネス効果をもたらします。
シャッセでは、足を横に開く外転筋(お尻の横・大腿筋膜張筋)と、引き寄せる内転筋(内もも)が重点的に使われます。これらの筋肉は日常生活では意識しづらいため、シャッセを続けることで、太ももの引き締めやヒップアップに高い効果が期待できます。特に内ももを鍛えることは、脚全体をすっきり見せる上で重要です。
横方向への素早い移動を繰り返すシャッセは、敏捷性(アジリティ)と瞬発力を鍛えます。急な方向転換や、素早い動き出しに対応できる身体能力が向上します。これは、スポーツをする方はもちろん、つまずきを防ぐなど、日常の動作を安全に行うためにも役立ちます。
エアロビクスは音楽に合わせて動くことが基本です。シャッセは軽快なリズムに乗る練習に最適で、身体が自然にカウントを覚えるようになります。また、腕と足の動きを連動させることで、全身の協調性が向上し、より洗練された動きができるようになります。
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レッグカールとは?エアロビクスで使える基本ステップと効果・コツを解説
シャッセの軽快さを出すためには、いくつかのコツを意識することが大切です。単調な動きにならないよう、楽しみながら練習しましょう。
足先だけで移動しようとすると、動きが固くなってしまいます。移動したい方向へ、腰から全体重をグッと移す意識を持つことで、よりスムーズで大きなシャッセが可能になります。この「腰ごと移動する」感覚が、滑らかな横移動を生み出す秘訣です。
膝が伸びきっていると、動きが硬くなり、床からの衝撃を吸収できません。常に膝を軽く曲げた状態を保ち、バネのように床の反動を活かして弾むように移動しましょう。この膝の使い方が、軽快なシャッセの鍵となります。
いきなり大きな歩幅でシャッセを行うと、リズムが崩れたり、身体に負担がかかったりします。まずは、小さな幅で正確なリズムとフォームを練習しましょう。リズムに完全に慣れたら、徐々に歩幅を広げ、ダイナミックなシャッセへと発展させてください。
シャッセの推進力は足だけでなく、腕の振りからも得られます。移動したい方向へ腕を力強く振ることで、体全体のバランスが取りやすくなり、より楽に素早く移動できるようになります。腕を意識的に使うことで、全身運動としての効果も高まります。
A. シャッセとスライドはどちらも横移動のステップですが、動き方に違いがあります。
・シャッセ:3歩(追いかけるステップ)で横に移動します。軽快な弾みやリズム感が特徴です。
・スライド(サイドステップ):2歩で横に移動します。一歩出て、もう一方の足を揃える(またはタッチする)動作で、シャッセよりもシンプルな横移動です。
A. シャッセを継続すると、太もも(特に内もも・外もも)とお尻の引き締め効果が期待できます。また、横方向への素早い動きによって敏捷性や体幹の安定性が向上し、音楽に合わせて動くことでリズム感も養われます。
A. 「膝を柔らかく使うこと」と「腰ごと横に移動する意識を持つこと」が最も重要です。また、最初は腕の振りを大きくして推進力を助け、リズムを正確に取ることにも集中しましょう。
シャッセは、「追いかける」という名前の通り、軽快に横移動ができるエアロビクスの基本中の基本ステップです。このステップをマスターすることで、下半身の引き締めや敏捷性の向上といったフィットネス効果が得られるだけでなく、エアロビクス特有のリズム感を掴むことができます。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、「膝を柔らかく」「腰ごと移動」を意識し、音楽に乗って弾むように練習を続ければ、必ず軽快なシャッセができるようになります。
フィットネスクラブ エイムでは、初心者の方でも安心してエアロビクスを始められるプログラムをご用意しています。
シャッセを覚えて、より楽しく、ダイナミックなエアロビクスに挑戦してみましょう!
監修:舛井達郎 エイムのマーケティングに携わり、紙媒体やWeb広告の運用を行っている。動画や広告制作も担当し幅広い業務に従事。フィットネスの普及のため、運動の方法や健康についてインスタグラムでの発信も行っている。