- エアロビクス
2025.11.13
2025.08.23
エアロビクスと聞くと、軽快な音楽に合わせて体を動かす楽しい運動というイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、「どんな動きをすればいいの?」「難しそう…」と感じて一歩踏み出せない方もいるかもしれません。
そんなエアロビクスの基本ステップのなかでも、特に多くのプログラムで登場し、美容と健康にうれしい効果が期待できるのが「レッグカール」です。
この記事では、エアロビクス初心者の方でも安心して取り組めるよう、レッグカールの基本から応用、正しいフォームのコツ、そして得られる効果までを分かりやすく解説します。レッグカールをマスターして、楽しく効果的に理想のボディラインを目指しましょう。
レッグカールとは、立った状態で片足のかかとを、お尻に向かって引き上げる動作のことです。
足のつま先をつけたままかかとを上げ下げする動作や、もも上げのように膝を高く上げる動作と異なり、膝を曲げてかかとをお尻に近づける動きがポイントになります。シンプルながらも、普段あまり意識して使わない太ももの裏側にしっかりアプローチできるのが特徴です。
エアロビクスでは、この動作を音楽に合わせて左右交互に繰り返したり、腕の動きを加えたりすることで、運動強度を高めていきます。
レッグカールの主なターゲットとなるのは、太ももの裏側にある「ハムストリングス」です。
ハムストリングスとは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉の総称で、膝を曲げたり、股関節を伸ばしたりする働きを担っています。このハムストリングスは、日常生活では歩いたり階段を上ったりする際に使われますが、意識的に鍛えないと衰えやすい筋肉でもあります。
レッグカールは、このハムストリングスを効率よく収縮させるため、太もも裏の引き締めに非常に効果的です。また、かかとを引き上げる動作でお尻の筋肉(大臀筋)も使われるため、ヒップアップ効果も期待できます。
レッグカールは、足が床から離れる時間が短く、着地の衝撃が少ない「ローインパクト(low-impact)」な運動です。
ジャンプやランニングのように、足や膝、腰への負担が少ないため、運動が苦手な方や体力に自信がない方、関節に不安がある方でも安心して取り組むことができます。エアロビクス初心者の方は、まずはレッグカールのようなローインパクトのステップから始めて、徐々に運動に慣れていくのがおすすめです。
また、特別な道具や広いスペースも必要ないため、自宅でのトレーニングにも最適です。
レッグカールは簡単な動きですが、正しいフォームで行うことで、より効果を高め、怪我のリスクを減らすことができます。ここでは、初心者の方でもすぐに実践できる、基本のやり方と応用バージョン、そして注意点を解説します。
1. スタートポジション: 脚を腰幅程度に開いて立ちます。背筋を伸ばし、お腹に軽く力を入れて姿勢を安定させましょう。目線はまっすぐ前を向き、胸を張ります。
2. かかとを上げる: 片方の膝をゆっくりと曲げ、かかとをできるだけお尻に近づけるように引き上げます。太ももが体の垂直なラインから前に出ないように意識しましょう。
3. 足を下ろす: かかとを床に着地させ、スタートポジションに戻ります。このとき、着地の衝撃が大きくならないように、ゆっくりと足を下ろすのがポイントです。
4. 交互に繰り返す: 左右の足を交互に、音楽のリズムに合わせてテンポよく繰り返します。
【ポイント】
レッグカールは、腕の動きを加えることで全身運動となり、心拍数を上げて脂肪燃焼効果を高めることができます。
· 腕を前後に振る: かかとを上げるときに、上げた足と逆側の腕を前に、同じ側の腕を後ろに振ります。ウォーキングをするように腕を振るイメージです。
· 腕を交互にパンチ: かかとを上げるときに、腕を前に向かって交互にパンチします。体のひねりを加えることで、腹筋や体幹も同時に鍛えられます。
· 腕を上に上げる: かかとを上げるときに、両腕を頭の上に持ち上げます。肩甲骨を動かすことで、肩こり改善にもつながります。
これらの動きを組み合わせることで、エアロビクスならではの楽しさと効果を両立できます。
正しいフォームを身につけるために、以下の点に注意しましょう。
【NG】膝が前に出てしまう: かかとを上げるときに、太ももが前に出てしまうと、太もも裏の筋肉への負荷が弱まってしまいます。太ももは体の垂直なラインをキープする意識を持つことが大切です。
【NG】腰が反ってしまう: かかとを上げようとして腰が反りすぎると、腰に負担がかかり、怪我の原因になります。お腹に軽く力を入れて、骨盤を安定させましょう。
【NG】反動を使ってしまう: 反動を使って無理にかかとを上げようとすると、正しい筋肉にアプローチできません。ハムストリングスの力を使って、ゆっくりとコントロールしながら動くことを意識しましょう。
レッグカールは、見た目の美しさだけでなく、体の機能的な側面にもうれしい効果をもたらします。継続的に行うことで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
レッグカールの最も大きな効果は、ハムストリングスの引き締めです。ハムストリングスが衰えると、太もも裏に脂肪がつきやすくなり、たるんで見えたり、セルライトの原因になったりします。
レッグカールによってハムストリングスを鍛えることで、太もも裏の筋肉が引き締まり、シャープで美しい脚のラインを手に入れることができます。
ハムストリングスは、お尻の筋肉(大臀筋)と連動して働くため、レッグカールは間接的にお尻の筋肉も刺激します。特に、かかとを高くお尻に近づける意識で行うことで、よりお尻の筋肉にアプローチできます。
引き締まった太ももと、キュッと上がったヒップラインは、健康的で美しいプロポーション作りに欠かせません。
レッグカールは、音楽に合わせてリズミカルに繰り返すことで、心拍数を適度に上げ、有酸素運動としての効果を発揮します。
有酸素運動は、体内の脂肪をエネルギーとして燃焼させるため、体脂肪の減少に効果的です。レッグカールを単体で行うだけでなく、他のエアロビクスステップ(マーチ、ステップタッチなど)と組み合わせることで、全身の脂肪燃焼をさらに促進できます。
レッグカールをより効果的に、そして安全に行うためには、いくつかのコツがあります。ここでは、初心者の方でもすぐに実践できる、フォームを安定させるための具体的なポイントを紹介します。
レッグカールでハムストリングスを最大限に使うためには、かかとをできるだけお尻に近づけることが重要です。
目線で確認する: 最初のうちは、鏡を見ながら、かかとがどのくらい上がっているか確認してみましょう。
手で触ってみる: お尻のあたりに手を当てて、かかとが触れる位置まで引き上げることを目標にします。
ハムストリングスの収縮を感じる: かかとを上げたときに、太ももの裏側がギュッと縮まる感覚を意識してみましょう。この感覚が、正しく筋肉を使えている証拠です。
かかとを上げる動作に集中するあまり、膝が前に出てしまうと、太ももの前側に余計な力が入ってしまいます。
体幹を意識する: お腹に力を入れて、背中が丸まったり反ったりしないように姿勢を安定させます。これにより、太ももが前に出にくくなります。
軸足に体重を乗せる: 軸足(地面についている足)にしっかりと体重を乗せ、体が前後にブレないようにバランスを取ります。
太もものラインをイメージする: 自分の太ももが、地面に対して垂直な状態をキープしているのをイメージしながら動きましょう。
これらのコツを意識することで、レッグカールは単なるステップから、効果的な筋トレと有酸素運動を兼ね備えた、質の高いエクササイズへと変わります。
ここではレッグカールを体験した方からのご質問を紹介します。
A. 左右差は誰にでもあるので、気にしすぎなくて大丈夫です。筋力や柔軟性の違い、利き手・利き足の影響でバランスの取りにくさは自然なもの。対処法としては、ぐらつく側は壁やブロックを使って安定させるのがおすすめです。続けるうちに左右差は徐々に整っていきます。
A. 膝の痛みが出る場合、フォームが合っていないか、体に無理をさせている可能性があります。特に膝を伸ばしすぎたり、力を入れすぎたりすると負担が集中してしまいます。対処法としては、膝を軽く曲げる・下にクッションを敷く・かかとを浮かせるなど、柔軟に調整しましょう。無理せず快適に行うことが大切です。
A. 週2〜3回から始めるのがおすすめです。1回あたり5〜10分でも十分効果が期待でき、体の軽さや姿勢の変化を感じる人もいます。早く効果を出したい場合でも、毎日少しずつを無理なく継続する方が安全かつ効果的です。目安は1〜2か月で体の柔軟性や疲れにくさに変化が出る人が多いです。
レッグカールは簡単そうに見えて、正しいフォームと意識次第で効果が大きく変わる奥深いステップです。ハムストリングスや大臀筋強化、脂肪燃焼、姿勢改善など多くのメリットを得ながら、関節に優しく続けられるのも魅力。初心者から上級者まで、エアロビクスに取り入れることで、楽しく効率的にボディメイクが可能になります。
監修:舛井達郎 エイムのマーケティングに携わり、紙媒体やWeb広告の運用を行っている。動画や広告制作も担当し幅広い業務に従事。フィットネスの普及のため、運動の方法や健康についてインスタグラムでの発信も行っている。